ワキガ

06【まさか……!】

頭の中でこだまのように響きわたる彼女の声から逃げるように帰宅して、嫌な汗をかいた感じで着替えると、以前はそんなことはなかった筈なのに、ブラウスのがなんとなく黄ばんでいるように感じました。

 

朝使った制汗剤のせいかな?

 

そんな風にも思いましたが、なんだか嫌な感じがして、洗濯済みの他の白系のブラウスやシャツ類を慌てて確認してみました。

 

「嘘……」

 

しっかり毎日洗濯しているブラウスや、シャツ類の脇が、どれも、うっすらと黄ばんでいました。

 

……もしかして、これが臭ってるの?

 

脱いだばかりのブラウスを確認してみましたが、正直なところ、自分では、自分の臭いは良くわかりませんでした。

 

やっぱり、気のせいかな、と、ちょっとホッとしました。

 

今から思いかえせば、この頃は、食生活も乱れがちだったこともあって、臭いを感じ取ることが上手くできていなかったのかもしれません。

 

郷里に居た頃は、結構、臭いに敏感な方でしたが、そういえば、最近は、あまり色々なものの臭いを強く感じられていないかな? そんな気もしてきます。

 

そうして思い巡らせてみると、デザインの授業の際に時々、モチーフなどに使われる、香りの強いはずの百合などの花の香りも、あまり感じられていなかったかもしれない……。

 

まさか……!

 

もしかしたら、彼女の言葉は、言いがかりではないのかも? という思いが、嫌な感覚で頭の中を駆け巡りました。

 

それでも、自分の体臭が、他の人の迷惑レベルになっているなんて、認めたくはありませんでした。

 

=>07【初めての登校拒否】