ワキガ

12【病院にて】

アルバイトで配属された印刷会社の営業部には、ちょっとステキな先輩がいました。

 

さすが営業部で活躍しているだけのことはあり、人付き合いが上手なのです。

 

ステキな先輩が居るからこそ、アルバイトとはいえ、しっかり営業の勉強しなくては、という気になっていたのも事実です。

 

お届け仕事で、いつも彼方此方、飛び回っていたので、営業部内に居る時間は、ごく短いものでした。

 

お陰で、あまり自分の体臭のことについては深く考えなくてもよい生活でした。

 

しかし、やはり、ちょっと気になる男性ができたり、得意先に顔見知りの人が増えて行くにつれ、自分の体臭は大丈夫なんだろうか? と、心配になり、その心配は、日々、大きくなって行きました。

 

色々と調べて、やはり自分では自分の臭いはよくわからないままでしたが、ワキガなのだろうと、薄々わかっていました。

 

友人に相談するのはとてもためらわれますし、実家に知られるのも嫌、残る選択肢は、病院に行くことしかありませんでした。

 

幸い、アルバイトは順調で、思っていたよりも、多い手取りになっていました。

 

それで思い切って、ワキガなどの治療を行なっている皮膚科の病院へと出かけて行きました。

 

美容外科や美容クリニックは、ちょっと敷居が高い気がしたのです。

 

その病院の待合で、偶然、ワキガの手術をした後のトラブルで通院している女性と知り合いました。

 

彼女は、ワキガで長いこと悩んでいたけれど、意を決して手術を受けたのだそうです。

 

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