ワキガ

11【アルバイトの日々の中で】

それでも、やはり、デザイン関係の仕事に未練はあったのでしょう。

 

デザイナーとしての仕事は無理としても、少しでもデザインに関わるような仕事を、と、私は無意識にそんなアルバイトを探していたようです。

 

暫くして、印刷関連会社の営業部でのアルバイトが決まりました。

 

営業部での仕事といっても、アルバイトの私の仕事は、印刷用の生原稿の返却や、青刷りのお届け、といった、お遣い仕事がメインでした。

 

ただ、時に現場が忙しい時には、簡単なレイアウトやデザインの仕事を営業部が請け負うこともあるとかで、そのための要員でもある、という点に心惹かれたのです。

 

とはいえ、レイアウトやデザインの仕事は、滅多には入ってきませんでした。

 

専門学校を中途でやめて、アルバイトとして直ぐに働きはじめたため、会社の研修といったものは殆ど受けていません。

 

それなのに、ただのお遣いとはいえ、色々な企業に出入りする羽目になり、私はだいぶ緊張していました。

 

有名な一流企業の1部署にお届け、ということも頻繁でしたので、慌てて会社関係のマナー本や、ビジネス書を読みあさって、必死で他社に行った時の挨拶の仕方や、ふさわしい服装などを勉強しました。

 

今まで目指していたデザイン関係の仕事とは全く違いましたが、そんな独学でのビジネスの勉強も、案外楽しくなってきていました。

 

そして、そんなお遣いの日々にも漸く慣れてきた頃、身だしなみとかの勉強中に、不意に、体臭のことを思い出したのです。

 

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